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高層建築物の世界史 [本]


高層建築物の世界史 (講談社現代新書)

書店でたまたま見かけて購入。

タイトル通り古代~現代に至るまでの高層建築物の歴史を通史として描いた本。
一口に高層建築物といっても、古代から中世にかけては神の偉大さを示すような宗教的建築物が主であり、中世以降は王侯貴族など権力者が自らの力を示す手段としての建築、更に近代以降になると産業化と経済活動によるビルの高層化…と、その時代によって様々な意図と用途によって築かれる高層建築物は、歴史を紐解く材料としても実に面白いものです。
なお本書のウエイトの半分以上は近代以降のものを扱っているので、古代遺跡的なモノや大聖堂のようなモノについては割とあっさり目な扱いとなっています。なのでその辺に興味がある方には少々物足りないかも。でも本書で実際一番面白いのはその近代以降の部分だったりするので、そちらの方に興味があるならば読んで損は無いと思います。

個人的には旅先で様々な高層建築物を目にする機会があるのもあって、とても興味深く読めた一冊でした。

荒木飛呂彦の漫画術 [本]


荒木飛呂彦の漫画術 (集英社新書)

以前川崎に行った時にラゾーナの丸善で購入。話題の新書だけあって目立つ所に平積みになっていましたね。

内容はというと荒木先生による「王道漫画の描き方」ハウツー本といった事になるのでしょうが…まあご本人が序文で書かれているように「えっ?ジョジョが王道漫画なの?」といった反応が出てくるのは確実かと。
で、いかにジョジョが王道(荒木先生的に)なのかという事を、デビュー作や過去の作品なども用いて解説していってるのが本作。キャラクターの作り方やストーリーの作り方、作画についての基本や作品の世界観の作り方などについて、自身の過去の経験や自作品を用いて素人にも分り易く解説されています。キャラクターの身上調査書などは以前NHKの番組でも紹介されていましたが、かなり細部にわたって設定されていて「そんな所まで設定考えていたの?」という驚きがあったりも。


以前NHKで放送した『浦沢直樹の漫勉』などもそうですが、こういった漫画家の創作の裏側を垣間見れるものはやはり面白いです。漫画家志望向けハウツー本の体裁を取ってはいますが、一漫画読みとしても作品の読解を深めるのになかなか役立つ本だと思います。

飛行機事故はなぜなくならないのか [本]


飛行機事故はなぜなくならないのか 55の事例でわかった本当の原因 (ブルーバックス)

個人的にナショジオの『メーデー!』シリーズが好きというのもあり購入。著者の青木謙知氏は航空評論家としてとても有名な方ですね。(航空評論家としては父親の方が有名だったかも)
内容はタイトルの通りで、飛行機事故の定義から事故原因、飛行システムの進化と安全装置の歴史などを具体的な事故例を用いて説明・検証しているものです。

素人にも分かり易い内容なのでさらっと読めますし、読めば飛行機事故の歴史や飛行機のシステムなどについて知識が深まるかも。特に飛行機を利用する機会の多い方などは読んでおいて損は無いかと思います。

国マニア [本]


国マニア 世界の珍国、奇妙な地域へ! (ちくま文庫)

この間『世界飛び地大全』を読んだばかりなのですが、同じ著者のこちらもついでで読む事に。
タイトル通りマイナーな国や海外領土、過去の歴史や政治判断で生まれてしまった奇妙な地域などを紹介した本。こちらも飛び地大全同様、ヤジ研に掲載していた記事を加筆修正したものがメインとなっているようです。(内容自体飛び地大全と重複しているものも多い)

ところで文庫版のあとがきには著者がさいたま市議選に立候補した顛末が記されているのですが、これを読むと著者が「大宮の独立」を声高に叫んでいる理由も「あ〜なるほど」と思えたり。

世界飛び地大全 [本]


世界飛び地大全 (角川ソフィア文庫)

元々社会評論社から出ていたものが角川で文庫化、電子書籍化されたもの。Bookwalkerのポイントが余っていたので購入。

内容自体はヤジ研のHPにあったものを加筆訂正し書籍化したものなのでほぼ読んでいるのですが、改めて読むとやっぱり面白いです。個人的には旧ソ連絡みの飛び地とかに特に惹かれますね。あと飛び地じゃないけど旧ソの秘密都市とかノヴァヤゼムリャとか気になりますよね〜(ならない?

著者の吉田一郎氏はプロフィールとか見ると結構アレな方みたいなんですが、出している本は面白いので興味のある方は是非。

フランス現代思想史 [本]


フランス現代思想史 - 構造主義からデリダ以後へ (中公新書)

思うに、『中二病』という言葉はつくづく便利なものである。

最近ではその意味合いも若干変化し、「ファンタジー的世界観のマンガやゲームに影響を受け過ぎて言動がアレな痛い人」を指す言葉と捉えられている感もあるのだが、元々の意味は「中学2年生くらいの男の子がいかにも取りそうな、やたらと大人びてみたり通ぶってみたりするような、およそ身の丈に合わない行為や言動」を指す言葉であったと記憶している。例えば飲めもしないブラックコーヒーを無理して飲んで見たり、J-POPを聴いている同級生を見下して一人洋楽を聴いて悦に入てみたり、など。

何故『フランス現代思想史』についての感想で中二病の話が出てくるのかというと、この本が扱っているフランス現代思想…構造主義から始まり、ポスト構造主義、脱構築、ポストモダン等々…がかつて日本でも持て囃された時代があり、その頃まだ若かった私は大して内容も理解出来ないくせにその手の本を読んでみたり、やたらと会話の中で「トゥリーとリゾームが〜」とか「差異が〜」などと使いたがってみたりした訳で。改めて思い返すとあの頃の若気の至り極まりないこういった言動は、今の基準だと完全に中二病の症状となるのではないかと。

それと同時に、今にして思うと当時の日本で何故こんな難解極まりないフランス現代思想が持て囃されたのか…浅田彰、柄谷行人、蓮實重彦辺りの著作が(それなりに)売れていたのは何故なのだろうか…などと考えてしまう訳で。世の中そんなに頭の良い人ばかりではないのは経験的に知っているので、結局のところそういう風潮を支持していた何割かは、私同様単にカッコつけたいが為の知ったかぶり中二病患者だったのではないのかと?

そういった意味では、当時そういう風潮の中心にいた浅田彰や柄谷行人、蓮實重彦のような現代思想・批評家達も、今にして思うと結構な中二病ぶりだったように思える。彼等の著作(正直あまり理解していなかったが)にはやたらと、不必要なまでにフランス現代思想からの引用が目立ち、やれラングだパロールだ、エクリチュールだシニフィアンだシニフィエだ…などといった単語がそこかしこに散りばめられていた。そして彼等はそれらの単語の意味をきちっとは紹介してくれない…そんなの識ってて当然でしょ?てな具合に。(特に一時期多かった対談集のような本にはその傾向が目立った)

いや、そもそも彼等の本の元ネタであるフランス現代思想の思想家達も、考えようによっては中二病だったと思えなくもない。この『フランス現代思想史』のプロローグにあった「ソーカル事件」でその傾向が証明されてしまっているではないか。敢えて畑違いの概念を引用する事で高尚だ難解だと思わせようとするやり方は中二病のソレと大差ないのではなかろうか?


…とまあこんな具合に中二病という言葉は便利過ぎて、「フランス現代思想?…あぁ、アレって結局中二病の戯言みたいなモノだよね」なんて一言で切り捨てられちゃう訳です。同様に「団塊世代がやってた学生運動って、つまるところ中二病をこじらせた結果でしょ」なんて言えちゃう事も。いやはや便利過ぎて恐ろしいですね。全く伊集院光はとんでもない言葉を作り出してしまった訳で(笑)



ちなみに本書『フランス現代思想史』は中二病とはあまり関係のない、当時の構造主義やポスト構造主義などのフランス思想界の流れを丁寧にスッキリと説明してくれている良い本です。扱っている題材が題材だけに難しい部分もありますが、その割には読み易いと思います。特に当時の私みたいにファッションとしてこの手の思想に触れていたような人にはオススメかと(笑)

月と六ペンス [本]


月と六ペンス (新潮文庫)

言わずと知れたサマセット・モームの代表作の新訳版。
『月と六ペンス』については過去に龍口直太朗訳と中野好夫訳を読んでいて、特に新潮社の中野好夫訳は何度か読み返している事もあり馴染み深いのではありますが…流石に今の時代にはやや古めかしく感じる部分もあり、そういった意味では新しい訳本が出るというのもアリなのかなと。

新潮社の新しい金原瑞人訳ですが、かなりすっきりと読み易くなった印象です。やや乱暴な言い方をすれば(中野訳などに比べ)カジュアルになったというか。おかげでストリックランドも中野訳よりワイルドになっているかも。(一人称が僕からおれに変わってますしね)

あとルビが多めなのも今の若い世代に読んで貰う為なんでしょうかね? まあ何にしても小説としての面白さについては今でも色褪せていない作品ですので、こういう新訳などは大歓迎です。

虐殺器官 [本]


虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

電子書籍のGALAPAGOSが300円分の期間限定クーポンを配っていたので、以前からちょっと気になっていた伊藤計劃の『虐殺器官』を購入。で、昨日読了。

テンポよく進んでゆくストーリ、読み易い文体もあってSF作品にしてはサクサクと読めました。レトリック的には翻訳文体風というか…ところどころ挿入される「死の世界」のイメージや暴力描写、カフカやらアメリカ文化の引用、そして一人称で語られる物語や会話文などが、どことなく村上春樹辺りの影響下にあるのかな?という印象。尤もそんな素人っぽさがいかにも新人といった感じなのでそれはそれで良いんじゃないかな〜とは思います。(始めから自己のスタイルが出来上がっている作家なんて稀だと思うし)

小説としては面白いし十分楽しめたのですが、SFとして見ると物語のギミックの核となる「虐殺の言語」の設定が何処か曖昧な描き方になっているのでそこがマイナスポイントかな、と。

著者の伊藤計劃氏は本作と次回作の『ハーモニー』を書いた後に若くして亡くなられているとの事ですが、これだけの力量のある作家ですから惜しむ声が多いのも納得です。


…しかしこの作品アニメ化するんですよね? 映像化したらとんでもなくエグくなると思うのですが。パイソンネタ多いのもどうなるんだろう(笑)

美術手帖 15年2月号 [本]

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特集の「ロボットデザイン」が面白そうだったので購入。しかし美術手帖なんて買ったの多分20年振りくらいかと。

特集の内容としては1970年代〜現在までのロボットアニメにおけるメカデザインの変遷と、時代を作った著名メカデザイナーのインタビューと紹介など。特に大河原さんと宮武さんのインタビューが中心となっています。
デザイナー紹介では、永野護や出渕裕のような大御所と共に、比較的最近のデザイナーであるポリゴン番長の石渡マコトなんかも取り上げられていて結構しっかりとまとまっている印象。

あと氷川竜介のコラムはいかにもこの人らしい切り口で面白く読めました。

という事でロボットアニメ好きならば知っている内容も多いとは思いますが、読んで損は無い内容かな〜とか。

宝島AGES [本]

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秋頃にNHK-Eテレで放送していた『ニッポン戦後サブカルチャー史』(祝・再放送決定)を懐かしみつつ楽しく観ていた者としては、「80年代の宝島を復刻する」という趣旨のこの本に飛び付かない筈がない訳で。

当時、秘境グンマーに住んでいた高校生のかささぎにとって、宝島は最先端のインディーズやサブカルを紹介してくれる貴重な情報源でありました。多分みうらじゅんやしりあがり寿、蛭子さんや故・安西水丸氏を識ったのも宝島からだったと。それにしても今思うとトンデモナイ連載陣ですね。(そういえば岡崎京子や桜沢エリカも描いていたし)

と、そんな80年代の黄金期の宝島を復活させた『宝島AGES』ですが、確かに中身はあの時代の宝島の雰囲気でして、懐かしくもあり少々恥ずかしくもあり…いやまあ流石にこの歳になると反戦だの反原発だのといったロック的主張がやや青臭く感じるという意味での話ですが。あとしりあがり寿の漫画が相変わらずしりあがり寿だったのが素晴らしかったですね。(カーツも見事なまでに関西仕事人のままだったが…)


でも後半の「今を生きる80’sバンド」の特集は正直読んでいて少々切なくなってきました…載っている方々が懐かしいだけに特に。